オヴェリア王女誘拐事件
獅子戦争勃発の直前、イヴァリース王の称号をめぐる政治闘争の中で起きた、王女オヴェリアの誘拐事件のこと。ラーグ公派、ゴルターナ公派、教皇派、などのさまざまな思惑が複雑に関与した事件で、一概にこれを定義することはできない。
事件発生までの経緯
オルダリーアとの長きにわたる戦争により、イヴァリースは疲弊し財政的な危機に直面していた。また、イヴァリース王オムドリア三世の暗愚も拍車かけ、国内の政治情勢も非常に不安定なものとなっていた。
この不安定な情勢はそれでも表面上に現れることは少なかったといえる。これはルーヴェリア王妃を筆頭に廷臣たちが政治を動かしており、機能上では国政はしっかり動いていたからである。しかし、オムドリア三世の崩御をきっかけに、事態の不安定さは急進する。ルーヴェリア王妃の専横が進んで、それを批判した王太后をブナンハへ蟄居させるなど、反対勢力はことごとく一掃された。
中央のバランスが崩れれば、当然地方の諸侯たちが目を光らせ始める。特に王妃ルーヴェリアの実兄であったラーグ公(ガリオンヌ公ベストラルダ・ラーグ)がそこに目をつけるのは当然のことであった。何故なら、オリナス王子は彼の甥に当たるため、彼の進退はそのままラーグ公の中央に対する影響力に反映するからである。
一方、ルーヴェリア王妃の背後勢力が、中央政治に介入してくることを恐れた議会や廷臣たちは、対抗勢力としてゴルターナ公(ゼルテニア公ダクスマルダ・ゴルターナ)に支援を求めた。
ラーグ公側からの視点
オヴェリア王女はオリナス王子に並ぶ、正当な王位継承者であるため、オリナスを次代のイヴァリース王に即位させたいラーグ公にとっては、オヴェリア王女は障害そのものでしかなかった。彼にとって最も近道なのはオリナス王子を即位させることが慣用であったからである。そのため、王女誘拐の嫌疑をライバルであるゴルターナ公にかけることによって、オヴェリア王女とゴルターナ公の両者を亡き者にしようとした。
ゴルターナ公側からの視点
ゴルターナ公が擁立するオヴェリア王女は、ゴルターナ公とは直接の関係は持たない。また、劇中ではオヴェリア王女を擁立するまでの間に、ラーグ公と比べて状況的にはあまり主体性が見られない。ゴルターナ公の視点から見れば、誘拐容疑を掛けられつつあり進退窮まっていたところに、オヴェリア王女が手元に転がり込み、利用することにしたというのが妥当だろう。
議会側からの視点
議会をはじめとする王妃の反対勢力は、とにかくラーグ公が中央へ干渉してくることを何よりも恐れていた。したがって、抵抗しうる有力勢力であるゴルターナ公を差し向けて、ラーグ公を失脚させ、あわよくば王妃も除いてしまおうというのが、彼らのベストシナリオであろう。その点から見れば、彼らにとってはオヴェリア王女を即位させることが、もっとも近道であるといえ、ゴルターナ公と目的を共にしているといえる。しかし、ゴルターナ公の中央への干渉も、また彼らにとって防がなければならないことであることにも留意しておきたい。
教皇側からの視点
彼らが望んだことは、ずばり教皇権の復権であり、それはつまり中央の王家および地方の諸侯の力を削ぐことにある。その為には、ラーグ公が一人勝ちしてもいけないし、その逆もまた然りであった。したがって、ラーグ公、ゴルターナ公をはじめとするありとあらゆる貴族勢力を共倒れにすることが、教皇の目的といえる。その点で、ラーグ公とゴルターナ公の確執をはじめとするありとあらゆる不安定材料は、教皇側にとってまたとない好餌となったわけである。
事件中の経緯
オーボンヌ修道院
誘拐実行部隊は教皇側の偽ゴルターナ軍である。ラーグ公側の偽ゴルターナ軍は教皇側によって近郊で殺害された。ラーグ公側がゴルターナ公側に誘拐容疑を掛けようとしているのは上述したとおりである。また、教皇側は、ゴルターナ公側に誘拐容疑を掛けることは両公の確執を深めるために必要であったが、ラーグ公側に誘拐させてしまうと、ラーグ公のシナリオ通りになってしまうので、教皇側が誘拐する必要があった。
ゼイレキレの滝
ラーグ公側はここで、王女もろとも誘拐実行部隊を殺害してしまうのが目的であった。しかし、誘拐したのは教皇側であり、教皇側は王女をゴルターナ公の元まで送り届ける必要があった。この時点で、ラーグ公側は何者かに計画を出し抜かれたことを悟るわけである。ここで、ディリータはラムザたちが枢機卿を頼らざる終えないこと知っていたため、あえて、王女をラムザたちに引き渡している。
November 26, 2005 | Final Fantasy Tactics, War and Incident
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